トールキン神話
むわっとするよ………。死にはしないけど、頭はほとんど働かない天気なのです。
夜になっても、クーラーをつけないと室内温度が35度ってどうなのかな………。
お年寄りは死にそうなのです。
ええと、昨日ぐったり寝込んでる間に某デパートの人事課から電話があったみたいだよ。また、誰か倒れたのかな。
それで、また連絡しますと言ってたから、待っていたら………来なかったよ。たぶん、変わりが見つかったのです。
「bad timingだったわねぇ。」
何千円か損したけど、命の危険もあるし………、まぁいいかな。うん。
あと、この日は仕事がひと段落ついて、ようやく一週間前ぐらいに借りた『シルマリルの物語』上下巻が読めるよ。
でも、日中相当暑かったし………、あまり集中できないね………。
「本に挟まっていたテングワールでガンバ関連の詩を書いたメモがあったが、まだあったのだな。これは2003年ごろに作ったものだろう。メモの裏の絵から見る限り、大学二年の末だな。」
6年ぶりの再会、だね………。案外誰にも借りられてないのかな。
「いや、本人が何度か借りていると。」
なんか神話関連の本がほしいと言った母に勧めたけど、スルーというエピソードだね……。
「ふむ、「グリック のんのん / グリック のんのん / ごらん ここが君たちの故郷だ」か。27行びっしり書かれているが、これは『グリックの冒険』において、北の森に到着したグリックとのんのんを称えたシマリスたちの詩だろう。原本なら自宅にあるから確認できるだろうが。」
よくこの謎文字が読めるよね………。
「それなりに訓練して習得したものだからな。」
「昔の指輪物語の追補版にはテングワールやキアスの読み方は収録されていなかったのよ。だけど、映画化に伴って新版の文庫本が出回って、それの追補版でようやく読むことができたわ。この文庫本の全巻を持ってるけど、主に読むのは追補版なのよねぇ。サラティについて追補版にも載ってないから、英文のサイトからわざわざ読んで調べたのよ。」
ええと……ルーミルのアルファベットってたしか……トールキンが1919年元旦、当時26歳の時に日記をつけ始めて……、最初の方で使われていた文字のことだよね。1926年以降、つまり34歳以降の日記では指輪物語でよく見るテングワール、この当時はクェニャティクとかフェアノリアンと呼ばれる文字がつかわれだしたから……、実際作中ではサラティを見る機会はないよ。
「サラティ→テングワール→キアスの順で作られたわけだけど、なぜか漢字とかトンパ文字とかの表語文字体系はなかったりする。やっぱり欧州の人間と言う制約がうかがえると。トールキン自体、古英語とかアイスランド語・フィンランド語・ラテン語・ギリシャ語とかいわゆるヨーロッパの古典言語の多くに精通している古典マニアだけど、その古代欧州世界も既に表語文字というものがなかったり。」
ラテンアルファベットは…ギリシャ文字とかフェニキア文字とか……もうすでに表音文字体系のところから派生してるし、中近東も……ヒエログリフ・楔形文字でもうすでに……表音文字体系だし……アルカの古幻字みたいな発想は出にくい環境だったと思うよ。
それに実際……文字をいっぱい作るのは屈折語尾をいっぱい考えるよりも面倒だと思うよ。セレンさんの場合、漢字文化圏と言うこともあるし、リディアさんも実際……日本暮らしが長いし、絵文字という発想が出やすい環境に暮らしていたと思うよ。もし、アシェットのメンバーが欧州だけで、活動範囲も欧州に限られたら、最初から表音文字体系になっていた可能性が高いよ。なんだかんだいって……人工言語や人工文化も作者の生活環境の影響を受けるのです。
それでとりあえず……追補版を読みながら、文字の読み方を復習なのです……。たぶん最初に読んだころと比べて言語学知識が豊富になったから、だいたい意味がわかるよ。時代とか言語によって、音価が変わったりするのです。あと……このテングワールは現実にはトールキンが英語で日記を表記するのに使った文字だから、英語を記述するための都合のいい仕様があるのです。theは[th]一文字ですむし…、of theも[v]の下に一本線を引けばそれを表すようになってたり……。そういえば、表紙の上部と下部に書かれている文章も実は英語だよ。
「まぁ、まじめにクウェンヤとシンダール語の設定はやってあるけど、そういうところは英語でさらっと」
実は……墓とかモリアの門とかも英語、じゃないかな。ともかく、指輪だけはまじめにBlack Speachだからいいかな。
「映画の本のところも実は英語だったり。」
http://www5e.biglobe.ne.jp/~midearth/writing/eiga/index.htm
まぁ……ずいぶん長々と話し言葉でシンダール語がつかわれているからいいんじゃないかな。
あと……ひねくれて下巻の後ろの方の辞書部分から読んだよ……。完全とは言い難いけど、クウェンヤとシンダリンの語幹がたくさん載ってるよ。
「大きな鉄の木は、バロルン・アングレンBalorn angrenかしらね。実際にはミナス・アングレンminas angrenだけどね。」
「ミナス(塔)というよりバラド baladっぽいイメージが。どっちも塔だけど、ミナス・ティリス(見張りの搭)とバラド・ドゥア(暗黒の搭)ではやっぱり、ラスボスっぽいしバラドだとおもう。」
「全くだな。tarbarad angren(tar- 高い barad 塔 angren 鉄の)だな。」
「あらあら、=#・ω・=。 ところでkateejも中つ国っぽく言うとファラス・メネル・ラウグ(falas 岸 menel 天 raug 悪鬼)になるわよ。」
「たぶん、ロガンノンドールrogannondor(rog 悪鬼 annon 門 dor 国、土地)の方がそれっぽい。」
う~ん………どっちもありそうだね……。ワッカのエミン・カムemyn camの方がそれっぽい気がするけど……。
イルケアをイルーヴェラント(iluve 全 rant 道)というのもかなりありだよ。
アシェルフィはエイセル・イシル(Eithel 泉 Ithil 月)かな…。なんとなくあってもおかしくないネーミングになるよ……。
「逆パターンで、唯一神iluvatarは、kaan t’ilに。エイセルシリオンは、エルケルフィと。ゴンドールはカタド、アルノールはカルダイズ、モルドールはカヴェルと。ロスロリエンは、ミナディアカと。イムラドリスはジーイエンウィル」
人工言語から人工言語の翻訳って……部外者的に意味不明だよね。ルニたちにはわかっても……。